誰も触れなくなった社内システムを引き継ぐ手順
「システムは動いているが、作った会社がなくなった」「担当者が退職して誰も中身を知らない」という状況は、中小企業では珍しくありません。こういった案件を引き継ぐ際の、実際の手順を説明します。
まずコードを読む前に、動作を確認する
引き継ぎの最初のステップは、コードを読むことではなく、現在のシステムが何をしているかを使っている人から聞くことです。「どの画面を毎日使うか」「どのボタンを押すと何が起きるか」「最近おかしいと感じる箇所はあるか」を確認します。
この情報があると、コードを読むときに「この処理がどの画面に対応しているか」が分かりやすくなります。コードだけ渡されて読み始めると、全体像が見えるまでに時間がかかります。
コード診断で現状を文書化する
コードを読んだ後、現状レポートを作成します。内容は、使用している言語とフレームワークのバージョン、データベースの構成、外部サービスとの連携、潜在的なリスク(セキュリティ上の問題、サポート切れのライブラリなど)、改修の優先順位の提案です。
このレポートは、その後の改修を当社が担当するかどうかに関わらず、お渡しします。社内の別のエンジニアに渡す場合でも、引き継ぎ資料として使えます。
改修の優先順位を決める
引き継いだシステムをすべて作り直すことは、ほとんどの場合コストに見合いません。動いている部分は触らず、問題のある部分だけを直すのが基本方針です。優先順位は、セキュリティリスク、業務への影響度、修正のしやすさの3軸で判断します。
「全部きれいにしたい」という気持ちは理解できますが、動いているコードを書き直すと新しいバグが入るリスクがあります。まず現状を安定させることを優先し、機能追加や構造の改善は後から段階的に行う方が安全です。
引き継ぎ案件は、状況がそれぞれ異なります。まずコードと現状を見せていただければ、対応できるかどうかをお伝えします。